■■■ はな  絵本話「こどもを描く」 ■■■

絵はいつもどこかしらで、目にしていたいわさきちひろさんだが
今まで、いわさきちひろさんの絵本で読んだことのある本は
りゅうのめのなみだ(浜田広介・文、偕成社・刊)だけだった。
泣いた赤鬼で有名な浜田広介さんの童話で、理不尽に悪者よばわりされ
嫌われている龍を、何の先入観もなく自分の誕生日に招待しようとした少年。
それを聞いた龍は涙を流し、その涙は河となり、、という心あたたまる
童話にちひろさんの淡いやさしい絵。龍の表情、動きがまた素晴らしく
描かれている。

最近になって、ちひろさんの絵本やちひろさんの表紙絵
(雑誌「こどものしあわせ」草土文化)の画集に出会った。

最初に見た絵本はあめのひのおるすばん(至光社)で、
これは、はじめてちひろさんが絵も文も手がけたものだそうだ。
雨の日、ひとりで留守番している少女の気持ち、お母さんが
帰ってきた時の喜びがこどもの目線で語ってあり
こどもの気持ちを表している絵の力に改めて感動した。

それから、もしもしおでんわ(松谷みよ子・文、童心社・刊)
や、おふろでちゃぷちゃぷ(松谷みよ子・文、童心社・刊)と
読んだ。なんと言っても、ちひろさんの描く子供像、母としての
やさしさ以上に、こどもに対する愛情にあふれている。
ちひろさんは、こどもが大好きだったのだろう。

その後、画集でちひろさんのこども画を見たのだが、
ちいさなちひろ画集1 こどものしあわせ
(田辺徹、小西正保・編、岩崎書店刊)
見れば見るほど、その魅力に引き込まれ、ファンになった。
いつもこんなに子供たちが笑っていられるような平和な世界で
あり続けたいという様な願いまで込み上げてくる、
不思議なやすらぎに満ちている。

ちひろ美術館
日本ではじめての絵本美術館で息子さんの松本猛さんが館長をされている。
ちひろさんの資料だけでなく、国内外の絵本約3000冊も所蔵されているそうだ。
まだ行ったことはないのだが、ちひろさんやちひろさんの描いたこども
たくさんの絵本に会いに、ぜひ訪れてみたいと思う。


いわさきちひろさんの本

4033020101りゅうのめのなみだ (ひろすけ絵本 1)
浜田 広介 いわさき ちひろ
偕成社 1965-11

by G-Tools
4494001074もしもしおでんわ (松谷みよ子あかちゃんの本)
松谷 みよ子 いわさき ちひろ
童心社 1970-01

by G-Tools
4494001082おふろでちゃぷちゃぷ (松谷みよ子あかちゃんの本)
松谷 みよ子 いわさき ちひろ
童心社 1970-05

by G-Tools
B000J7P9QEあめのひのおるすばん (1974年)
岩崎 ちひろ 武市 八十雄
至光社 1974

by G-Tools



4265944388こどものしあわせ (ちいさなちひろ画集)
いわさき ちひろ
岩崎書店 1997-05

by G-Tools
 
406198005Xちひろの世界―やさしさの扉をひらく (講談社カルチャーブックス (6))
松本 猛 松本 由理子
講談社 1991-03

by G-Tools





<< 消えてしまった絵本                  「ちびくろ・さんぼ」復刊 >>




<< HOME

inserted by FC2 system